今年もiPhone 5s/5c発売によって多数の電波調査が行われニュースになった。こうした調査は、都内で行われることが多いので、記者はあえて仙台や沖縄など、地方に行く際は現地で調査を行い記事を上げてきた。そんな記者が今回調査を行ったのが大阪と福岡。東京からの出張が多い場所なので、在京ビジネスマンは現地の通信事情が気になることだろう。
調査地点は、新幹線の停車駅や空港などの交通機関、宿泊先のホテル、多くのビジネスマンも訪れるであろうオフィスビル、そして出張時のささやかな楽しみである繁華街だ。調査したホテルは高級シティホテルも含まれるが、さすがに泊まるわけにはいかないので、強がってランチやお茶をしたホテルなのであしからず。
【端末】iPhone 5s(ドコモ・au・ソフトバンク)
【都市】東京・大阪・福岡
【場所】東海道・山陽新幹線のぞみ号停車駅(東京~福岡)、交通機関、ホテル、オフィスビル、繁華街
【時期】12月上旬
【方法】通信速度計測アプリ「Speedtest.net Mobile Speed Test」にて各地点3回計測した結果の平均を記録
まずは、新幹線での移動時に計測した結果から。調査は、新幹線がホームに停車している間に急いで行った。利用者数が多いためか、20Mbps超えは新横浜駅でのソフトバンク(22.1Mbps)、名古屋駅でのau(26.2Mbps)、新大阪駅でのau(21.1Mbps)のみとなったが、広島より東のエリアでは全キャリアがほとんどの区間でLTEでの通信が継続利用できた。
なお、新山口~博多駅の区間では、auが全停車駅で広島以東と変わらず10Mbpsを超える結果を出したが、トンネルが多い区間では3キャリアとも3G通信に切り替わる頻度が上がっていた。広島以西のエリアはトンネルが多いためでもあるが、各キャリアの一層の電波改善に期待したい。
⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://nikkan-spa.jp/549847/iphone3city_1
続いて、各都市10地点での計測結果を紹介する。まずは大阪から。心斎橋駅から日本橋まで歩いたところ、3キャリアとも10Mbps超えで安定したLTE通信ができた。交通機関では、auが新大阪駅で21.1Mbps、伊丹空港で20.8Mbpsなど20Mbps超えの強さをみせた。10地点の平均でも、10Mbps未満がなく、3都市間中で最速の21.4Mbpsとなった。次いで健闘したのはソフトバンク。心斎橋駅ホームで26.5Mbps、千日前にある味園ビルで26.9Mbpsを記録して1位となった。結果は、10地点中、auが7勝、ソフトバンクが2勝、ドコモが1勝。
⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://nikkan-spa.jp/549847/iphone3city_2
福岡では、天神、中洲、博多駅周辺の移動中に計測。オフィスビルやホテルでauが強さをみせ、グランドハイアット福岡で26.4Mbps、天神駅すぐの福岡天神フコク生命ビルで30.3Mbpsを記録した。ドコモも今回の調査では3都市中最速の平均11.7Mbpsで、複合商業施設キャナルシティーでの19.5Mbpsをはじめ、10Mbpsを安定して記録した。結果は、10地点中、auが7勝、ソフトバンクが2勝、ドコモが1勝。
⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://nikkan-spa.jp/549847/iphone3city_3
最後に、参考までに地方のビジネスマンが最も出張する東京のビジネス街なども計測した。地方から出張や転勤してきた人に対しても、電波状況を説明できれば頼もしい存在になれそうだ。在京ビジネスマンも、主要ビジネススポットや繁華街の状況を知っておけば、営業や接待でどこへ行っても困らないだろう。
東京では、各キャリアが20Mbps超えを記録することも多く、夕方の時間帯で混雑した羽田空港到着ロビーでは、auが34.3Mbps、ソフトバンクが28.6Mbpsという高い数値を出した。新宿西口ではauのつながりが良く、京王プラザホテルでは29.1Mbpsに。結果は、10地点中、auが5勝、ソフトバンクが3勝、ドコモが2勝。
⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://nikkan-spa.jp/549847/iphone3city_4
ちなみに、今回の調査では通信速度(下り)とともに、クラウド上にアップしたファイルをiPad Airでダウンロードする計測も行った。新幹線での移動中やホテル、空港では、時間潰しや仕事の書類をサクッとチェックしたいもの。クラウドサービスはアプリ経由でブラウズして、必要に応じてファイルを個別にダウンロードできるものだが、写真チェックや膨大な資料を確認したい時は、一度に落としてしまった方が快適な場面も多い。1秒でも早くファイルをダウンロードできるキャリアはauとソフトバンクどちらか?
【端末】iPad Air(au・ソフトバンク)
【場所】東海道新幹線(新横浜~名古屋)、山陽新幹線(新神戸~岡山)、ホテル、空港
【時期】12月上旬
【方法】クラウドサービス「Dropbox」に書類(10MB・Word100ファイル)、写真(30MB・jpgファイル15枚)をアップロード。定番ファイル管理アプリ「GoodReader for iPad」にて、フォルダごと一括ダウンロードし、完了するまでの時間を3回計測した結果の平均を記録。
結果は、auが全8地点で勝利。30MBという重いファイルも最速でわずか53秒でダウンロードできた。特に新幹線で新神戸から岡山へ向かう途中では、両キャリアとも時間がかかったが、ソフトバンクはLTE接続が維持できず、10MBの書類をダウンロードするのに約4分半かかってしまった。
⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://nikkan-spa.jp/549847/iphone3city_5
3都市での広範囲調査の結果、仕事で都市部を歩きまわるビジネスマン向けに、各キャリアが10Mbps超えの通信環境を整えつつあることが分かった。今年もあとわずかだが、年越し前にiPhone 5sの購入を検討している方は、参考にしてみてはいかがだろうか。 <取材・文・撮影/林健太>
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