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J1昇格への最後の1枠をかけ、京都サンガF.C.×徳島ヴォルティスが対決

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 2013年も残すところあと僅か。世の中は年の瀬に向け徐々に慌ただしくなる季節だが、3月に開幕したJリーグもいよいよクライマックスに突入。今週末12/7(土)にはJ1最終節が行なわれる。前節、新潟に0-2で敗れホームでの優勝を逃したものの、勝点62で依然首位に立つ横浜FMはアウェイで、ACL出場圏内を狙う川崎Fと対戦。逆転優勝を狙う勝点60の2位広島は、同59で同じく優勝への望みを残す3位鹿島と激突する。どちらの試合もテンションの高い激しいゲームになることは必至で、土曜日は多くのサッカーファンがその経過を追うことになるだろう。

 しかし、翌8日(日)にもう一つ、意地とプライドをかけた、クラブの未来を左右する極めて重要な一戦が行なわれることを、皆さんはご存知だろうか。国立競技場で行われる、J1昇格プレーオフの決勝である。

 昨年初めて導入された同大会は、J1昇格への最後の1枠をかけ、J2の3~6位の計4チームによって争われるトーナメント方式のカップ戦だ。1日(日)にその準決勝が行われ、リーグ戦6位のV・ファーレン長崎に0-0で引き分けた3位京都サンガF.C.と、5位のジェフユナイテッド千葉に1-1で引き分けた4位の徳島ヴォルティスが、「引き分けの場合はリーグ戦で上位だったチームが勝ち抜け」とするレギュレーションにより決勝に進出。お互い悲願のJ1昇格まで「あとひとつ」のところまで来たのである。

 決勝も引き分け以上でJ1昇格が決まる京都に対し、昇格には勝つしかない徳島は先制点を狙って前半から攻勢を掛けることが予想される。京都ゴール前での攻防は特に激しいものになりそうだが、そうした状況下で鍵を握るのが、京都の192cmの長身GKオ スンフンだ。先日の準決勝では長崎に再三決定的な場面を作られながらも、この守護神の度重なる好セーブもあり何とかドローに持ち込んだ。京都は準決勝に引き続きディフェンスの局面での最大限の集中が求められるが、ここでポイントとなるのが、オ スンフンが昨季まで3年間徳島に所属していたという点である。

 普段の練習の中で徳島攻撃陣のシュートを、それこそ山ほど受けてきたオ スンフンは、当然選手一人一人のクセもよく知っているはずだ。得意なシュートコースやゴールパターンを把握していることはセービング時の駆け引きでアドバンテージとなるだけでなく、その前段階での味方DFへのコーチングにも大きな影響を与える。徳島の各選手が持っているプレーのビジョンやチームのパス回しの傾向を加味したうえで味方に指示を与えることで、ピンチの芽をより早い段階で摘むことができる。とにかく先制点が欲しい徳島は、昨季まで自軍のゴールを守っていた守護神をいかにして攻略するのか。ただでさえ、準決勝でPKを決めたブラジル人FWドウグラスが怪我で出場を危ぶまれ苦しい状況だが、約3ヶ月ゴールから遠ざかっているエースFW津田、リーグ戦最終節で殊勲のゴールを決めたMF宮崎らの奮起に期待が掛かる。

 昨季、リーグ戦最終節で自力昇格の2位以内を逃し3位となり、その後のプレーオフでは初戦敗退。本当にあと一歩のところでJ1復帰を逃し、雪辱を期す京都。一方、勝てば長年の悲願だった四国勢初のJ1昇格が決まる徳島。ガンバ大阪、ヴィッセル神戸に続きJ1への切符を手にするのはどちらになるのか。両クラブの運命をかけた一戦。互いに譲らぬ、熱いゲームになることは間違いない。

「サッカーは代表戦か海外の試合しか見ない」「J1どころかJ2なんて……」という方も、ぜひその熱を現場で、肌で感じてみてはいかがだろうか。12/8(日) 15:30、国立競技場で最後の90分が始まる。

<取材・文/福田悠 写真/(C)J.LEAGUE PHOTOS>



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