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軍隊放棄と憲法で明文化しているのは、世界で日本を含めた3ヵ国だけ

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戦争の放棄や武力を保持しないことなどを宣言した「日本国憲法9条」。この平和憲法の改正議論がかつてないほど高まっている。

まずは、基本知識のおさらいとして、現行の憲法9条を見てみよう。

第二章 戦争の放棄






1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、






国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、






国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2、前項の目的を達するため、






陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。






国の交戦権は、これを認めない。

これに対し、自民党の改正草案が以下だ。

第二章 安全保障






1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、






国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、






国際紛争を解決する手段としては用いない。

2、前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

9条1項で明記されている「戦争放棄」だが、実は、「侵略戦争をしない」と宣言している憲法は世界にゴマンとある。パリ不戦条約(1929年)や国連憲章にもほぼ同じ意味の文言があり、多くの国がその考え方を自国の憲法に取り入れている。

だが、「戦争をしない」という宣言を守るために戦力、つまり「軍隊を持たない」とまできっぱり言い切った憲法(9条2項)はほとんどなく、世界で日本とコスタリカ、パナマぐらいだ。そのため、この9条2項をある人は「人類が到達すべき理想」と褒(ほ)めたたえ、ある人は「空想にすぎない」と切り捨てる。

世界史上でも極めて珍しいこの憲法9条を、いったい誰がなんの目的で作ったのか? 日本国憲法は敗戦後、日本を占領していたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)がその原案を起草したことはよく知られている。そこから、9条という超レアな条項を作ったのは結局、アメリカという主張は根強い。

だが、「9条を選んだのは日本国民自身だ」とする主張がある。一橋大学の渡辺治名誉教授が言う。

「確かにアメリカは日本の軍国主義が復活して再びアジアを侵略するのではないかと恐れていましたから、敗戦した日本を弱体化させる意味でも、軍隊を持たせないようにしようと考えた側面はあったでしょう。

しかし、より重要なことは悲惨な戦争体験に学んだ日本国民が9条を受け入れ、その後、67年間も修正せずにきたという歴史的事実です。その間、日本国民は9条を選び続けてきたんです。その意味で、9条は日本国民が自発的に選び、維持してきたといえます」

「9条」はアメリカの“押しつけ”か、理想を“国民が選んだもの”か。どちらの立場に立つかで、その姿は大きく変わるものなのだ。

■週刊プレイボーイ27号「はじめての憲法9条改正」より 【関連記事】
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