日本時間12月7日未明にブラジルW杯の組み合わせ抽選会が行なわれる。
今大会は予選で波乱が起こらず、順当な32ヵ国が出そろった。強豪国による“濃い”戦いが繰り広げられそうで、今から楽しみだね。
シードにあたる第1ポットの8ヵ国は、開催国とFIFAランキングの上位国から選定。すでにブラジル、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイスに決定済みだ。FIFAランキングは実力を正確に反映していないし、スイスはちょっと意外な感じもするけど、各国とも強力なストライカーを擁し、どこと当たっても日本が勝つのは簡単ではない。
そして、今回は恐ろしいことに、優勝経験のあるイタリア、フランス、イングランド、さらにオランダ、ポルトガルといった強豪国が第1シードから外れている。つまり、日本が“死の組”に入る可能性もそれだけ高いというわけだ。
特にフランスが欧州勢の入ったポットから外れているのが不気味だね。最悪の場合、例えば、アルゼンチン、イタリア、フランス、日本という組になる可能性もあるのだから。
日本からすれば、特に対戦を避けたいのは第1ポットの南米勢4ヵ国。縦へのスピードがあって、両サイドからがんがんドリブルを仕掛けてくるスタイルのチームには相性が悪いからだ。南米勢と比べ、どちらかといえば“重い”欧州勢のほうが、日本の持ち味であるスピードが生きると思う。
逆に、日本にとってベストな組分けを考えるなら、スイス、エクアドル、ギリシャかな。エクアドルの代わりに、チーム運営があまり上手ではなく、自滅することも多いアフリカ勢が入ってもいい。
ただ、個人的には、今回はいっそのこと“死の組”に入ったほうがいいと思っている。
なぜなら、11月の欧州遠征での善戦(オランダに2-2、ベルギーに3-2)を経て、せっかく日本代表の内外に生まれた、いい意味での緊張感があっさりと失われてしまったからだ。むしろ妙な自信をつけてしまったよね。この状況で本大会の組み合わせにも恵まれたら、選手もマスコミもファンも、“上から目線”で「勝てる」となりそうな気がする。それが怖い。
オランダに引き分け、ベルギーに勝ったといっても、しょせんは親善試合。もしW杯本番で対戦することになったら、彼らはまったく異なるサッカーをするはずだ。また、先頃発表されたあるブックメーカーの優勝オッズでは、32ヵ国中18位タイの151倍という数字が日本につけられた。
オランダ、ベルギー(ともに5位タイの17倍)よりもはるかに下だ。そのことからもわかるように、世界の大舞台では、日本はまだまだ相手に勝ち点3を計算されてしまうチームだということを忘れてはいけない。
前回の南アフリカW杯もそうだったけど、日本は謙虚になったときのほうがいい結果を出している。ちょっと怖いけど、“死の組”に入れば、再びピリピリとした緊張感が生まれるのは間違いない。そういう厳しい組を突破できれば喜びも大きいし、何より世界に与えるインパクトは大きなものになる。ブラジルでそんな日本の姿を観たいと思うけど、まずは組み合わせ抽選会の行方を見守ろうか。
(構成/渡辺達也、写真/益田佑一) 【関連記事】
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今大会は予選で波乱が起こらず、順当な32ヵ国が出そろった。強豪国による“濃い”戦いが繰り広げられそうで、今から楽しみだね。
シードにあたる第1ポットの8ヵ国は、開催国とFIFAランキングの上位国から選定。すでにブラジル、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイスに決定済みだ。FIFAランキングは実力を正確に反映していないし、スイスはちょっと意外な感じもするけど、各国とも強力なストライカーを擁し、どこと当たっても日本が勝つのは簡単ではない。
そして、今回は恐ろしいことに、優勝経験のあるイタリア、フランス、イングランド、さらにオランダ、ポルトガルといった強豪国が第1シードから外れている。つまり、日本が“死の組”に入る可能性もそれだけ高いというわけだ。
特にフランスが欧州勢の入ったポットから外れているのが不気味だね。最悪の場合、例えば、アルゼンチン、イタリア、フランス、日本という組になる可能性もあるのだから。
日本からすれば、特に対戦を避けたいのは第1ポットの南米勢4ヵ国。縦へのスピードがあって、両サイドからがんがんドリブルを仕掛けてくるスタイルのチームには相性が悪いからだ。南米勢と比べ、どちらかといえば“重い”欧州勢のほうが、日本の持ち味であるスピードが生きると思う。
逆に、日本にとってベストな組分けを考えるなら、スイス、エクアドル、ギリシャかな。エクアドルの代わりに、チーム運営があまり上手ではなく、自滅することも多いアフリカ勢が入ってもいい。
ただ、個人的には、今回はいっそのこと“死の組”に入ったほうがいいと思っている。
なぜなら、11月の欧州遠征での善戦(オランダに2-2、ベルギーに3-2)を経て、せっかく日本代表の内外に生まれた、いい意味での緊張感があっさりと失われてしまったからだ。むしろ妙な自信をつけてしまったよね。この状況で本大会の組み合わせにも恵まれたら、選手もマスコミもファンも、“上から目線”で「勝てる」となりそうな気がする。それが怖い。
オランダに引き分け、ベルギーに勝ったといっても、しょせんは親善試合。もしW杯本番で対戦することになったら、彼らはまったく異なるサッカーをするはずだ。また、先頃発表されたあるブックメーカーの優勝オッズでは、32ヵ国中18位タイの151倍という数字が日本につけられた。
オランダ、ベルギー(ともに5位タイの17倍)よりもはるかに下だ。そのことからもわかるように、世界の大舞台では、日本はまだまだ相手に勝ち点3を計算されてしまうチームだということを忘れてはいけない。
前回の南アフリカW杯もそうだったけど、日本は謙虚になったときのほうがいい結果を出している。ちょっと怖いけど、“死の組”に入れば、再びピリピリとした緊張感が生まれるのは間違いない。そういう厳しい組を突破できれば喜びも大きいし、何より世界に与えるインパクトは大きなものになる。ブラジルでそんな日本の姿を観たいと思うけど、まずは組み合わせ抽選会の行方を見守ろうか。
(構成/渡辺達也、写真/益田佑一) 【関連記事】
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