来年6月に開幕するサッカーW杯ブラジル大会の組み合わせ抽選会が、いよいよ今週金曜日(日本時間では土曜日の午前1時)に、開催国のブラジルで行なわれる。
まずは、今回採用されるであろう抽選のルールを理解しておこう。正式には抽選会の直前に詳細が発表されることになっているが、前回の南アフリカ大会と同じシステムが適用される公算が大きいため、その前提で話を進める。
出場する32ヵ国は、8ヵ国ずつ4つのポットに分けられる。強豪国同士、さらに同じ地域の国同士が最初から対戦しないようにするためのシステムだ。そして、各ポットから1チーム、計4ヵ国で構成されるA~Hまで8つのグループが決定するというわけだ。
ポット1はシード国枠。開催国のブラジルと、最新FIFAランキングの上位7ヵ国が入る。ポット2はアジア&北中米カリブ海の国々が入る。日本は当然このポットに入る。ポット3は南米とアフリカだ。しかし開催国のブラジルに加え、アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアがシード入りしたために合計で7ヵ国にしかならない。
そしてポット4がヨーロッパ枠だが、シードの常連だったオランダやイタリア、イングランド、フランスらがシード漏れしたため9ヵ国になってしまった。では、ヨーロッパのどの国がポット3に回るのか、まだ正式には発表されていないが、過去の例に照らすとFIFAランキングで最下位の国がポット3に回される。
現在、その位置にいるのはフランスだ。ポット1、そしてポット4と強豪ぞろいのなか、ポット3にフランスが入ってしまえば、その組はすなわち“死のグループ”となる可能性が高い。
そして、各グループで総当りの予選3試合を行ない、上位2ヵ国、計16ヵ国が決勝トーナメントに進出するというわけだ。
となると日本が対戦する3ヵ国に注目が集まるのはもちろんだが、実は試合会場の場所や日程も重要なファクターとなる。
サッカーに関する著作が多数あるスポーツライター、後藤健生氏が解説する。
「もし、蒸し暑い会場で涼しい国から来たヨーロッパ勢と戦えば日本は意外な大金星を挙げられるかもしれないし、標高の高い会場で南米勢と戦えば信じられないような惨敗を喫する恐れだってある。日系人が多く住むサンパウロで試合が行なわれればホームゲームのような雰囲気に包まれるだろうし、ブラジルとライバル関係にあるアルゼンチンと同じグループに入ればブラジル人のほとんどが日本を応援してくるでしょう」
ブラジルは国土が非常に広く南北に長いため、都市ごとの寒暖差が激しく、W杯が行なわれる6月から7月は、南部のクリチバやポルトアレグレは0℃くらいになる日もあるのに対し、北部のマナウスやレシフェなどでは平気で30度を超えるという。
また、シード国のカードは人気があるので、大きなスタジアムのある中心地周辺の移動で済むのに対し、クジ運次第では寒暖差の激しい土地を何千kmも繰り返し移動させられるかもしれない。
日本にとって、楽なグループがないのは百も承知。だが、意外なファクターで大金星だって挙げられる可能性がある、それがブラジルW杯なのだ。
(取材/菅沼 慶、写真、益田佑一)
■週刊プレイボーイ50号「12.6ブラジルW杯組み合わせ抽選会を100倍楽しく見る方法」より 【関連記事】
・10月の東欧遠征から一転、ザックジャパンが息を吹き返した理由
・セルジオ越後の一蹴両断! 第329回「“ドーハ”のチームがW杯本大会に出ていれば面白い試合をしただろうね」
・サッカー記者のブラジル訪問記「遠い、高い、悪い。でも、また行きたいのがブラジル」
・セルジオ越後の一蹴両断! 第331回「本気でW杯出場を目指すなら、J2降格の磐田から移籍すべきだ!」
・【サッカー】「大黒柱」「いいヤツ」「香川も一目置く」関係者が語る本田圭佑の本当の評判
まずは、今回採用されるであろう抽選のルールを理解しておこう。正式には抽選会の直前に詳細が発表されることになっているが、前回の南アフリカ大会と同じシステムが適用される公算が大きいため、その前提で話を進める。
出場する32ヵ国は、8ヵ国ずつ4つのポットに分けられる。強豪国同士、さらに同じ地域の国同士が最初から対戦しないようにするためのシステムだ。そして、各ポットから1チーム、計4ヵ国で構成されるA~Hまで8つのグループが決定するというわけだ。
ポット1はシード国枠。開催国のブラジルと、最新FIFAランキングの上位7ヵ国が入る。ポット2はアジア&北中米カリブ海の国々が入る。日本は当然このポットに入る。ポット3は南米とアフリカだ。しかし開催国のブラジルに加え、アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアがシード入りしたために合計で7ヵ国にしかならない。
そしてポット4がヨーロッパ枠だが、シードの常連だったオランダやイタリア、イングランド、フランスらがシード漏れしたため9ヵ国になってしまった。では、ヨーロッパのどの国がポット3に回るのか、まだ正式には発表されていないが、過去の例に照らすとFIFAランキングで最下位の国がポット3に回される。
現在、その位置にいるのはフランスだ。ポット1、そしてポット4と強豪ぞろいのなか、ポット3にフランスが入ってしまえば、その組はすなわち“死のグループ”となる可能性が高い。
そして、各グループで総当りの予選3試合を行ない、上位2ヵ国、計16ヵ国が決勝トーナメントに進出するというわけだ。
となると日本が対戦する3ヵ国に注目が集まるのはもちろんだが、実は試合会場の場所や日程も重要なファクターとなる。
サッカーに関する著作が多数あるスポーツライター、後藤健生氏が解説する。
「もし、蒸し暑い会場で涼しい国から来たヨーロッパ勢と戦えば日本は意外な大金星を挙げられるかもしれないし、標高の高い会場で南米勢と戦えば信じられないような惨敗を喫する恐れだってある。日系人が多く住むサンパウロで試合が行なわれればホームゲームのような雰囲気に包まれるだろうし、ブラジルとライバル関係にあるアルゼンチンと同じグループに入ればブラジル人のほとんどが日本を応援してくるでしょう」
ブラジルは国土が非常に広く南北に長いため、都市ごとの寒暖差が激しく、W杯が行なわれる6月から7月は、南部のクリチバやポルトアレグレは0℃くらいになる日もあるのに対し、北部のマナウスやレシフェなどでは平気で30度を超えるという。
また、シード国のカードは人気があるので、大きなスタジアムのある中心地周辺の移動で済むのに対し、クジ運次第では寒暖差の激しい土地を何千kmも繰り返し移動させられるかもしれない。
日本にとって、楽なグループがないのは百も承知。だが、意外なファクターで大金星だって挙げられる可能性がある、それがブラジルW杯なのだ。
(取材/菅沼 慶、写真、益田佑一)
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