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Tehuの「残念ながら、アイドルヲタです。」第9回:アイドルが人気になる過程を、スティーブ・ジョブズの復活劇から考えた

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連日の忙しさでちょっと体調を崩してしまったTehuです。ですが、今回も濃い内容をお届けします!

前回は「ベンチャー企業と投資家」の関係が、「女性アイドルとヲタ」の関係にとっても似ているのではないかという僕の持論を紹介しました(※記事リンクは下にあります)。

ただ、少し話が抽象的だったので、わかりにくい部分もあったかもしれません。そこで今回は具体的な事例(誰もが知っているあの会社!)を引用しながら、女性アイドルの未来について考えてみたいと思います。

11月1日に公開された映画『Steve Jobs』は、2011年に亡くなったアップル創業者・スティーブ・ジョブズの生き様を描いた作品です。大学中退から共同創業者であるウォズニアックとのアップル設立、CEO解任から奇跡の復活劇まで、彼の人生がたどった紆余曲折がとても見事にまとめられています。

すごく有名なストーリーではあるのですが、ご存じない方のためにざっくりと説明しておきます。

当初はまったく注目されなかったアップルの「パーソナルコンピューター」という発明も、イベントやメディアでの宣伝の甲斐あって一気に知名度が広まり、アップルには投資が殺到。法人化からわずか3年でIPO(株式公開)を果たし、ジョブズは20代にして億万長者の仲間入りを果たします。

しかし、栄華を極めたと思った矢先につまずいてしまうのが人の世の常。ジョブズは販売戦略の失敗や、その「ウザい」人柄が災いして、1984年、30歳にしてアップルを追い出されてしまいます。しかし、アップルは90年代に業績が低迷。呼び戻されたジョブズは暫定CEOに就任し、iMac、iPod、iPhone、iPadに代表される、文字通り世界を変えた製品群を発表。時価総額世界一位の企業にまで成長させて亡くなりました。

はい、スティーブ・ジョブズの超ダイジェストでした(笑)。ここでようやく本題です。そんなジョブズの人生を、48グループのサプライズ人事にたとえてみましょう。週プレ読者になじみ深いメンバーでは、AKB48の菊地あやかさんやHKT48の指原莉乃さんがいます。

※Tehuの「残念ながら、アイドルヲタです。」第8回




http://wpb.shueisha.co.jp/2013/11/22/23264/



今度はアイドルに疎い方のために、まず菊地あやかさんのプロフィールを爆速で説明しますね。

菊地あやかさんは1993年6月30日生まれのハタチ。2006年末、第3期オーディションで合格してAKB入りし、柏木由紀さん、渡辺麻友さんらと「チームB」の主力として大活躍しました。

しかし、2008年7月に恋愛スキャンダルが発覚。8月15日には解雇が決定。所属事務所からも契約を解除され、このまま芸能界から消えていくのかと思いきや、わずか3ヶ月後の11月、第7期オーディションに再び合格。研究生としてサプライズすぎる復活を果たしました。そして現在では、総選挙にもランクインする立派なAKBメンバーとして活動しています。

さすがに指原莉乃さんのキャリアは説明する必要はないですよね? 彼女は脱退こそしていませんが、“島流し”という過酷すぎる処分からの大復活を成し遂げています。しかも、あらゆる逆境をはね返してアイドル業界のトップに立った。これはジョブズの復活劇にも匹敵する偉業だと僕は思っています。

運営がアイドルにさまざまな試練や課題を与えるとき、ファンは「なんでそんなことをするんだ!」と嘆き、怒りをぶつけるもの。客観的に考えれば、それでファンが離れてしまってもおかしくはないはずなのに、それでも運営は手を緩めず、また、ファンも熱心に応援し続ける。

こうした構図についてアイドルに興味がない人は、「恋愛スキャンダルがあったのに、どうしてヲタをやめないのか?」という疑問を呈します。

ですが、こう考えてみてはどうでしょう? アイドルを応援する醍醐味は、なんといっても無名な存在だった女の子たちをファンの力で盛り上げ、世に知らしめること。そして、そんなサクセスストーリーに自分が一体化することにあります。



これは僕の推測ですが、48グループの運営はこの快感を何度もファンに味あわせてあげるために、過酷ともいえる処分をアイドルに課すのではないでしょうか。その成功と凋落、そしてドン底から復活の落差が激しければ激しいほど、感動もひとしおで、ファンの応援にも熱が入ります。

まさにジョブズはその通りの存在で、“アップル信者”と呼ばれる人たちは、製品そのものの素晴らしさもさることながら、キリストにもたとえられる彼の復活劇に心酔しているわけです。これは批判しているんじゃないですよ! 僕もそのひとりです(笑)。

こうした「試練と復活」という構図は、ある集団が成長する過程で欠かせないものなのかもしれません。ジョブズと指原莉乃さんは、その好例ということですね。そして、その物語が劇的であるほど人々が熱狂するのは、すでに述べた通り。

しかし、そこにはリスクがともないます。過酷な処分に耐え切れずフェードアウトしてしまうこともあるでしょうし、ベンチャー企業ならば新しい試みが挑戦的すぎて業績がかえって下降することもあるはず。

AKBグループによるサプライズ人事だって、必ずしもうまくいったものばかりではありません。しかし、グループの成長を止めないためには、これは欠かすことのできないチャレンジなのです。

コンテンツで感動を生み出す方法はたくさんあります。「JOY」を提供するだけでなく、さまざまなリスクを背負うことで、むしろ感動を最大化する方法もあるのだなあと、ぎっくり腰と鼻風邪のダブルパンチで意識朦朧としているなか、ぼんやり考えたのでした。

<今週の気になるアイドルエトセトラ>




体調不良なので一言だけ。……っしゃああ!!! ももクロの冬ライブ「ももいろクリスマス2013」チケット当たったああああ!!!!!

(写真/高橋定敬) 【関連記事】
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