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自分のコンピュータが超未来につながる!
いつか量子コンピュータが実用化されれば、ものすごく重い大きな処理を一瞬でこなしてくれる…と考えられています。でもそのためには、量子コンピュータで動かすプログラムを書く人も必要です。そんな量子プログラマを育てるべく、量子コンピュータが世界で初めてクラウドで公開されようとしています。
ブリストル大学の研究者らが公開する「Qcloud」には2qubit(量子ビット)の量子プロセッサが搭載されていて、シンプルながらきちんと計算処理が可能です。Qcloudでは、移相器で光子の速度を変えて、量子もつれを変化させることでプログラミングができます。これだけでもすごそうなんですが、それをインターネット経由でどこからでも使えるってのがさらにポイントです。
とはいえ良くも悪くも、Qcloudは誰でも使えるわけじゃありません。Qcloudを使った量子プログラミングを試したい人は、まずこちらのシミュレータを使ってQcloudの動作の概念を理解してからブリストル大学の研究チームに申請し、承認を受ける必要があります。Qcloud本体は9月20日公開予定なので、興味のある人は早めにシミュレータを試した方がよさそうです。
量子コンピュータの処理能力が高いといっても、Qcloudの小さなプロセッサは既存のコンピュータをはるかに凌駕…というほどじゃありません。2qubitのプロセッサは古い世代のもので、ブリストル大学ではもう6qubitや8qubitのコンピュータも作っています。それでもクラウドで広く公開されることで、量子プログラマ育成の環境作りになるとともに、将来の量子コンピュータの使われ方を示すモデルになるかもしれません。
[University of Bristol via New Scientist、Image by welcomia/Shutterstock]
Eric Limer(原文/miho)
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