青山裕企の写真集「スクールガール・コンプレックス」を原案として、女子高校を舞台に女の子たちの青春を描く『スクールガール・コンプレックス~放送部篇~』が公開中です。複雑に絡み合う恋心と友情、その中心にいる謎めいた雰囲気の三塚チユキを演じた門脇麦さんに、少女たちの夏以上に熱い甘酸っぱい青春ムービーについてインタビューしました。
――顔は映さずに女子高生の手や髪、脚などを少年の視点でクローズアップした写真集「スクールガール・コンプレックス」。男性だけでなく、女性からの支持も集まって話題となった写真集の映像化だそうですが、女の子から好意を寄せられる役柄に、どう臨みましたか?
写真集は表紙だけは見たことがあって、その時はちょっとエッチな感じがしたんです。でも、オーディションのお話をいただいてから見てみたら、女の子が見てもキレイだなと感じるものでした。写真集が原作ではありますが、映画は映画として考えていました。チユキという役と真剣に向き合って演じていければいいなと思っていましたね。
――彼氏がいながらもマナミ(森川葵)との距離を縮めていくチユキ。同性から憧れられる存在であり、どこかミステリアス。門脇さんから見たチユキとはどんな女の子でしたか?
オーディションを受けたときにいただいた台本のト書きには、髪の毛はロングで手足が長くて美人で……と書かれていたんです。まず、チユキはわたしじゃないなと思っていました(笑)。髪も短かったですしね。しかし、2回目に呼ばれたときはチユキ役としてだったので驚きました。わたしとはほど遠い感じがしていたのですが、キャラクターをつきつめて台本を読んでいくうちに自分との共通点も見えてきて、そこをしっかりとたぐり寄せていけばチユキに届くのかなと思っていました。チユキは周りからは大人っぽくて何を考えているかわからない女の子と思われていて、わたしも昔からクールに見られがちなので、その点は似ているところかな。
――クールで何を考えているかわからないチユキを演じる上で、何度も監督から注意をされたことがあったそうですね。監督からのアドバイスとは、どういう内容のものでしたか?
昨年の夏に撮影をしていたのですが、わたしにとってほぼ初めての長編映画で心に余裕がなかったんです。それに、わたしは感情が入りすぎてしまうところがあるので、チユキはどこか心ここにあらずで何を考えてるのかわからないように見える役なので、誰かと話すときも目線を外したり、セリフをいうときも他のことを考えながら喋ったりするようにと小沼監督からはよく言われました。
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――女子への憧れは多くの人が経験してきているはずですが、門脇さんもそんな経験は?
学生時代に、他のクラスにお友だちになりたいなと思う人はいましたね。やはり、自分にはない部分を持っている人に惹かれますよね。色が白くて可愛くて、口数が少ないおとなしいタイプに気持ちがいくかも。チユキがマナミに惹かれていくのも演じていて、すんなりと自分の気持ちとして受け入れられた気がします。マナミはまっすぐで一生懸命。ふたりのシーンがほとんどでしたが、演じながらマナミともっと仲良くなりたいなと思っていたんです。森川さん自身も芯が強くて一生懸命な女の子でマナミと似ている部分が多かった気がします。可愛い女の子から好かれるのはなんだか申し訳ない気持ちでしたけど(笑)。
――女の子同士の恋愛に注目が集まってしまいますが、映画ではキラキラと輝く少女たちの青春が描かれていますね。改めて完成した作品を観た時、どういう印象を受けましたか?
男女で見方は変わってくると思うけれど、胸がキュンとする感じや、一生懸命な女の子たちの姿にみなさん共感できるんじゃないかなと思います。男性は、ちょっと見てはいけないものをのぞいてしまった感じになるかも(笑)。わたし自身、完成した作品を観たときに、ちゃんと写真集が原作になっている映画だなと感じたんですね。演じているときは、正直、別のものと考えていたのですが、写真集を初めて見たときの感情や台本を読んだ時の思い、それがつながった気がしました。一生懸命に生きている女の子たちの一瞬、一瞬が映画と写真集でリンクしていたのでうれしかったですね。
――そして映画の最後でチユキは大きな選択をしますが、その決断をどう思いましたか?
わたしだったらしない選択だったので、なんで? という気持ちが強かったんです。でも、チユキ自身も心と体がちぐはぐなままで、体だけはそっちに向かってしまったのかな。そのぐちゃぐちゃな気持ちが表現できたらいいなと思っていました。ただ、思うのはチユキも幸せになってほしいということ。ぜひ、映画館で見届けてください。
■Profile
かどわき・むぎ●1992年8月10日生。東京都出身。2011年デビュー後、映画『リアル鬼ごっこ3』(12)、『インターミッション』(12)、ドラマ「ヒトリシズカ」(12)、「第二楽章」(13)、舞台「ストリッパー物語」などに出演。映画『愛の渦』が、2014年3月に公開予定。
上映中
【関連情報】
映画『『スクールガール・コンプレックス~放送部篇~』』
http://sgc-movie.info/
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