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いまだかつてないほどケガした恐竜の化石が見つかる

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大怪我を負って、しかも生きながらえていたって…。

ケガをした恐竜の化石が見つかることは珍しいことではありません。でも今回アリゾナ州で発見されたディロフォサウルスと呼ばれる獣脚類の化石は、今まで発見された獣脚類の中で一番ひどいケガを負った化石でした。「ひしゃげてた」って言っていいくらい、ものすごいケガだったみたいです。

ディロフォサウルスは1億9300万年前、早期ジュラ紀時代の恐竜。成獣は体長6m、体重500kgと巨大で、その時代では一番大きな肉食動物でした。大きな体に加え、頭に1対のトサカがあり、クロコダイルのように上顎の前部と後部で歯列が分かれているのが特徴です。


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PLOS Oneによると、ファイエットビル州立大学の古生物学者Phil SenterさんとSara Juengstさんが発掘された化石の残骸を分析したところ、このディロフォサウルスは恐ろしいほどの傷を負いながらも生きながらえていたと判明したのです。


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どんなケガだったかというと…。まず左半身。肩甲骨は骨折していて、腕の尺骨と手のあたりにも、いくつかの骨折跡と膿瘍が見つかりました。右半身は、上腕が異常にねじれていて、前腕には骨腫瘍があり、中手骨はむちゃくちゃになっていて、薬指に至ってはかなりの奇形が起きていました。全体では、骨格中に8つの大きなケガが見つかりました。これは恐竜のケガ数の新記録です。もっとすごいのは、このケガの多くが治っていること。つまり恐竜は、けがをした後何カ月か、もしくは何年か生き延びたということ。ちなみに右手薬指の奇形は出生時にできた可能性があります。

では、この恐竜に一体何が起こったんでしょうか?

古生物学者のSenterさんとJuengstさんは、断言はできないけれど、恐らく戦いの最中に木や岩壁にものすごい衝撃でぶつかったのが原因ではないかといいます。手足の爪の刺し傷は、相手の恐竜にやられた可能性があるのです。このディロフォサウルスは、こんな状態でもどうやら生き延びていましたが、手の深刻なケガのせいで獲物を捕獲するのが難しくなっていたに違いないと、2人は語っています。

ケガが治るまでの間、口や足、もしくは片手で捕れる小さな獲物を食べていたと考えられています。その姿を想像するとかなり可哀想。でも研究者たちは、このディロフォサウルスは「ものすごい苦痛を長い時間耐え抜いた、動物の体の耐久力を示す象徴である」と称賛。1億9300万年前の彼の苦痛を考えると、すこし泣けてきますね。自然の摂理とはいえ、やっぱりかわいそう…。


source: PLOS ONE

George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(リョウコ)

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