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TPP交渉のカギを握るネガティブリスト方式とは?

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8月30日までブルネイで開かれているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉の会合では、参加12ヶ国が、年内妥結を目指した共同声明を発表した。

着々と進む日本のTPP参加。だが、日本が“聖域”として死守すると宣言しているコメや麦などの重要農産物5品目よりも、交渉のテーブルにのっていない、それ以外の品目・分野に危機感を抱く声もある。

『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』(三交社)の著作がある、立教大学経済学部長の郭洋春氏が警告する。

「議論(交渉)していないのだから大丈夫(守れる)という論理はアメリカには通用しません。そもそもTPP本来の趣旨は、すべての分野で市場開放するというものだからです。TPPでは、まずすべての分野を開放するのが基本原則で、その上でどうしても守りたい分野だけを互いに出し合って交渉する手順の『ネガティブリスト方式』が採用されている可能性が極めて高いのです」

この聞き慣れない「ネガティブリスト方式」という言葉について、「TPPを考える国民会議」の世話人で弁護士の岩月浩二氏が解説してくれた。

「もともと、国際自由貿易交渉の場では『ポジティブリスト方式』が一般的でした。自分たちの国はこの品目を自由貿易にするし、この分野の規制を緩和しますよと、互いに交渉する分野をテーブルに出し合う方式です。互恵的な考え方と言ってもいいですね。

一方のTPPは『ネガティブリスト方式』です。自由貿易にしたくない品目、どうしても残したい規制などをテーブルに出す方式です。つまり逆に考えれば、ネガティブリストに入っていない品目や分野に関しては、すべてTPPのルールが適用されますよということになるのです。自由化を強制するやり方で、侵奪的だと言っていいと思います」

TPPと今までの国際自由貿易は、まったくの別物だということだ。

(取材/菅沼 慶)

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